『あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られており、終わりの時に現されるように用意されている救いをいただくのです。』(Iペテロ1章5節)
ようやく春めいた雰囲気の日も出てきましたが、この冬はとにかく寒い冬であったと思います。冬になると多くの家庭で衣替えが行われ、セーターやダウンジャケットなど、暖かい衣類が押し入れから引っ張り出されていることでしょう。かくいう私も、格安の薄いダウンジャケットを1着手に入れて備えた次第です。
ところで、セーターやダウンジャケットはなぜ暖かいのでしょうか。
多くの人が、これらの冬物衣類は「分厚い」ゆえに暖かいのだと考えているようです。けれどもこれは正確ではありません。それは、分厚い鉄の鎧をかぶっても全く暖かくないことからも明らかでしょう。
冬物衣類が暖かいのは「空気」が大量に含まれているからです。意外なことに、空気は「最強の断熱材」であり、なんと木よりも10倍以上も熱を通しにくいのです。
つまりセーターやダウンジャケットが暖かいのは、熱を非常に伝えにくい空気を大量に含んでいるからなのです。
この事実はたいへん示唆に富んでいるのではないでしょうか。
この社会では「あの人は空気みたいだね」と言って、空気を「存在感のないもの」の代表例のように扱います。しかし冬の寒さから私たちを守る「最強の武器」は、実は「目には見えない空気」なのです。
これは信仰の世界にも言えることでしょう。
私たちは自分で自分を生かし、自分で自分を守っているのではありません。冒頭の聖書のことばにあるように「目には見えない神の力」にしっかりと守られているのです。そして、あの目に見えない空気が実は私たちを厳しい冬の寒さから守ってくれるように、この神の力もまた、私たちを人生の様々な問題や痛みから守って下さるのです。
この幸いと恵みをしっかり心で味わいつつ、神様と共に歩む人生を歩んでみてはいかがでしょうか。