『神 その道は完全。主のことばは純粋。主は すべて主に身を避ける者の盾。』(詩篇18篇30節)
新型コロナウイルスの流行を受けて一気に市民権を得た言葉があります。「PCR検査」です。PCRとは「ポリメラーゼ連鎖反応」の略で、コロナウイルスのDNAを増幅して有無を確認するのに使われ、繊細かつ時間とお金のかかる作業ですが、非常に強力な検査力があります。
例えば、これまでインフルエンザの検査をしても陽性がでず、首をかしげた経験は皆さんも一度くらいはおありのことと思いますが、この検査に使われるのは迅速検査キットと呼ばれ、PCR検査よりかなり精度が落ちるそうです。「絶対陽性だと思ったのに、出なかった」と感じる原因は、ここにあるかもしれません。PCR検査はこれよりも遙かに高い精度がある検査だそうです。
それゆえに、巷ではあたかも「PCR検査は万能である」かのような論調が広まっているようにも思います。しかし、あらゆる検査がそうですが、この世に完璧な検査というものは絶対ありないこともまた、厳然たる事実です。
たとえば、本当は陰性なのに陽性と間違える「偽陽性」や、反対に本当は陽性なのに陰性と間違える「偽陰性」が、一定数発生することは避けられないのです。
ですから検査を過信してはならず、最終的には私たち一人ひとりが考え方を変えなくてはいけません。すなわち「このウイルスはずっと存在していくものだ」という前提に立ち、マスク、手洗い、消毒、社会的距離の確保といった基本的な感染症対策の徹底を続けていくほかないのです。
その一方、私たちは次のこともしっかりと理解しておきたいと思います。それは「すべてを知っておられる神様が共にいてくださる」ということです。
このことを決して忘れないようにしたいのです。
PCR検査には誤りがあるように、人間の行うことには、必ず誤りや不完全さが伴います。しかし神様には誤りはありません。この神様が私たちと共にいて下さり、私たちの弱さを覆って下さるのです。
新型コロナウイルスは一時的に流行が収まることはあっても、消えることはないと言われます。私たちはこれからも、この厄介な病と、不完全な道具を使いながら向き合っていかなくてはならないのです。
だからこそ、完全な神にしっかりと信頼を置いて、この困難な時代に立ち向かって行きたいと思います。