『何が主に喜ばれることなのかを吟味しなさい。 実を結ばない暗闇のわざに加わらず、むしろ、それを明るみに出しなさい。』(エペソ5章10節)
新型コロナウィルスの流行が日々報じられ、漠然とした不安感を覚える方が多いことと思います。このような状況で問題になるのは「デマ」です。3.11の際に飛び交ったデマを皆さんも覚えておられるでしょう。
ではそのようなものに踊らされないために何が必要でしょうか。
第一は「センセーショナルな情報はまず疑う」ということです。例えば「隠されていた!」「衝撃!」といった言い方です。そもそも、「隠されていた情報」として出てくるものは、すなわち「裏付けの取れない情報」とイコールです。裏付けがあるのなら、隠す必要は無く堂々とオープンにすればよいのです。裏付けがないので、過激な言葉で不安を煽ることでしか広められないのです。
第二は「先を予測する」ということです。デマに飛びついてしまうのは、心に不安があるからです。不安があるのは「自分は人生に対するコントロールを失っている」と感じるからです。そういう時は、未来を予測してそれに備えることに専念しましょう。例えば「物流がストップした場合に備えて、お米や食料を買い足しておこう」と考えたり、自作マスクの作り方を調べて実際に作ったり、外出自粛が長期化するときに備えてネットでの映画鑑賞プランを契約したり、あるいはキャンプなど屋外の余暇の計画を立てたりするのです。そうすることで、心の主権を「不安」にではなく、自分の元に取り戻すことができ、デマに踊らされなくなるのです。
第三は、意外に思うかもしれませんが、「夜に決断しないこと」です。「闇」というものは不安を呼び、極端な決断に走らせやすい傾向があります。皆さんも朝の光を浴びると「なんで昨晩はあんなことに悩んでいたのだろう…」と思った経験があるでしょう。ある人が「朝の光に耐えられないものは、時の流れにも打ち勝てない」と言いました。心もこれと同じです。心に闇がある時は大きな決断は控え、主の光を待ち望む。そこに、デマに踊らされない歩みがあるのです。
新型コロナウイルスとの闘いは、年単位の長期にわたることが報じられつつあります。これは同時に、私たち自身の考え方やライフスタイルを見直すチャンスでもあります。間違った情報に振り回されて平安を失うのではなく、このような時だからこそ、「蛇のように賢く」行動したいものです。