『イエスは答えられた。「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばで生きる』と書いてある。」』(マタイ4章4節)
上記のみことばは、イエス様が荒野で悪魔の誘惑を受けた時に語られたことばです。悪魔は40日間の断食の祈りを終え空腹の極限にあるイエス様に対して、「あなたは神の子なのだから、この石ころにパンになれと命じれば良いではないか」と誘惑します。そうすれば問題は解決だと言う訳です。
この誘惑の本質は「あなたが一番にすべきは、あなた自身だ」というものでした。悪魔は「パンに集中せよ。パンを得よ。それがお前が一番願っていることだ」と語りかけたのです。しかし、イエス様は毅然としてそれを退けました。
これは「パンは不要だ」という意味ではありません。そうではなく「人間にはパンを得ることに勝る大切なことがある」ということです。それが「神の口からでる一つ一つのことば」、つまり「聖書のことば」です。
このコロナ禍の中、人々は自分の生活を守ることで心が一杯になり、将来に対する不安で、いつも心安らぐ暇なく生きています。けれども、本来、人間のできることは実に小さなことなのです。神様の助けなしには生きていくことのできない、ひ弱な存在なのです。
私たちがそのことを正しく認識するとき、「ああ、私は自分の力で生きているのではないのだ。神様に守られて生きてきたんだ。これからも、主は私を守って下さるんだ!」と思って勇気が沸いてきます。
悪魔は私たちからこの「神に頼る」という営みを奪い去ろうと、今も暗躍しています。堅く信仰に立って悪魔を退け、主を信頼しつつ歩んで行きたいと思います。